だんだん意識が遠のいていく。 目から涙が溢れる。 何でこんなに胸が苦しいんだろう。 私、すごく悲しかった。 心に大きな穴が空いたような感覚。 大切な何かを失った。 そして私も自ら……。 「緒方!おが……っ」 入江くんの声が遠ざかって行く。 春子さんのお墓が白く光っている。 な、んで……。 その疑問は口に出すことなく、私は意識を手放した――。