いろいろ準備をしていると、インターホンが鳴る。
あ、来た。
私はサイフとスマホ、防犯ブザーを持って自分の部屋を出て1階に下りる。
防犯ブザーは何かあった時に声が出ないから、その代わりに持ち始めた。
小学生の時に両親がランドセルと一緒に買ってくれたもので、当時は必要なく一度も使ったことはなかった。
高校生にもなってまた必要になる時が来るなんてね。
「お待たせ」
私はドアを開けて、目の前に立つ入江くんに笑顔を向ける。
けど、入江くんはムスッとした表情。
どうして不機嫌?
「今、確認せずに開けただろ?
足音が近づいてきて止まることないまま、ドアが開いた」
「なっ!」
そんなとこに意識が向いてるの?
細かいなぁ。