「うん。
ありがと……」




手に少し力を込める。


入江くんとの距離を少しでも近づきたいと思った。




この落ち着く大きな背中を疑った私は本物のバカだ。



こんなに安心できるのに。




入江くん……。






「そうだ、夏休みにいろいろ付き合ってほしんだけど」



「ん?」



「俺の前世の記憶もちょいちょい抜けてるんだ。
まだ話してないこともあるし。
だから一緒に調べに行こう」



「うんっ!」





私は大きく頷いた。



入江くんは信用できる。




きっと何があっても。