今までずっと直樹くんの思い通りになってたってことだ。



絶対にそうはさせない。






「じゃあ俺は行くわ。
ヒーローごっこ楽しんで。
正義が勝つとは限らないってね」





直樹くんはそう言い残すと、手を振ってこの場を去って行った。






「くそっ」



蒼が竹刀で地面をたたく。


直樹くんの強さはさっきのだけで思い知ってしまった。





いつでも私の力を奪えるんじゃないか。



本気でかかってきたら……。




そう思うと、どう立ち向かえば良いか分からなくなった。