「話、聞いてくれるかな?」
「もちろん!」
大きく頷いた私に、実里ちゃんは優しく微笑んだ。
そして少し場所を移動して日陰に行く。
蒼は木に背中を預けて立っている。
私と実里ちゃんは木の手すりに手を置き、街を見ながら話し始めた。
「咲良の幼なじみが言ってたことは事実なの」
「え」
突然の告白に驚く。
事実ってことは実里ちゃんは私のことを狙ってた。
「美夜は春子の家に仕える術者。
だけど、それは良い顔して騙して潜り込んだ。
美夜はずっと春子の力が欲しかった」
「治癒の力を?」
私の言葉に首を横に振った。
え、違う……?