……全く眠れなかった。
昨日とは打って変わり、最悪な目覚め。
よりももっとひどく、一睡もできないなんて。
目を閉じると昨日の出来事が頭に過ぎる。
男の人の手が絡みつく感覚に荒い息遣いがまだ残っている。
考えるな。
そう自分に言い聞かせる。
体の震えが止まらなくなる。
けどそれと同時に思い出すのは入江くんの優しい手。
頭を撫でてくれた時と抱きしめてくれた時の安心感。
何が起こったのか、夜が明けた今もわからない。
怖くて思い出すと震えるのに、入江くんを思うと温かくなる。
変なの。
とりあえず学校に行こう。
今日わかるはずだから。