「あれ?
少し見ない間に雰囲気変わったね」
「あ、髪切ったからじゃない?」
「うん、すごい思い切ったね。
でも短いのもかわいいよ」
そう言って私の短くなった髪に触れる。
この髪を見たお父さんとお母さんは衝撃を受けてたな。
そりゃ家出た時には腰まであった髪が、家に帰ってきたら肩にもつかないくらい短くなってるんだもん。
我ながらあの時の行動力はすごいと思う。
まぁ、いろいろあったから仕方ないんだけどね。
「あ、直樹くん。
メガネにゴミみたいなのついてるよ?」
私が手を伸ばそうとするより先に、私の髪を触っていた手を引っ込めてメガネに触れる。
フレームのところに綿毛みたいなのがある。
だから取ってあげようとするも、自分で取りたいのかメガネをカタカタさせている。
「んーまぁいいや」