「って、それだったら先に行ってていいよ」
「何かあったら困るだろ。
ついてくし」
そう言って、ポケットに手を突っ込んで私の前を歩き出す。
その後ろ姿が大きくてかっこよくて。
鼓動が速くなるのを感じながら、蒼の隣に行く。
「緒方ー、ちょっといいか?」
そのまま私の家に行こうとしたのを、担任の佐藤先生の声によって止められる。
佐藤先生はなぜか苦手というか、上手く接することができない。
倒れた時にお世話になったのに、私ってひどい人だなとは思うけど。
でも、春子さんと宗二郎さんのことを知ってるみたいだし、おかしいと思うんだ。
それを私に聞かせているように感じる。
って、そこまでは考えすぎかな?
とりあえず、何か危険な香りがするんだ。