直樹くんも小さめの声そう言った。
私は頷いて、窓とカーテンを閉めて、パーカーを羽織って家を出る。
「どうしたのっ?」
階段を駆け下りたせいで、少し息が乱れる。
これだけで息切れとか、かっこ悪いな。
「ははっ。
そんなに急がなくても良かったのに」
私を見て、控えめに笑い出す。
だって待たせちゃ悪いと思ったんだもん。
そこはあえてスルーしてほしいところなのに。
口を尖らせるけど、直樹くんは笑ったまま。
私も何だか拗ねてるのがバカらしくなってきて、一緒に笑い出した。
「ごめんね、突然呼び出して」
「ううん。
でも、呼ぶならメールか電話してくれたら良かったのに」
あんな窓に小石か何かを当てるんじゃなくて。