きっとあの時にこの恋が始まった



それは私が中学2年だった時。


親の離婚が決まった


実際のところ小学4年の時に父親の浮気で両親の仲に亀裂が入った


その日から両親は大きな声で喧嘩をする毎日


私はそれを聞くのが嫌で毎日耳をふさいで自分の部屋にこもっていた


そんな毎日が嫌で嫌で私はいつしか暗い性格になっていった


そんな変化をいち早く気づいたのが流司だった


「最近何かおかしいけど、何かあったのか?」

「なんでもない」


その一言で済ませていたが限界というものが人にはある


毎日繰り返される両親の喧嘩。


自分の中に溜めていたやり場のないものが一気に爆発した



部屋のものを投げ始め、今では両親に何て言ったか忘れたが暴言を吐きハチャメチャだった

そんな私を両親は唖然とした様子で見ていたのを覚えている


そんな大きな音は隣の家の流司の耳にも入ったらしく次の日の帰り道に事情を聞かれた

「…昨日何かあったのか?」


「なんでもない」


その日もその一言で終わらせるつもりだった


しかし自分の意志とは逆に頬を温かいものが伝わっていく


そんな様子を流司は黙って見て「大丈夫」と一言つぶやいた


どんどん溢れてくるその温かいものが止まるまで流司は側にいてくれた


そこから少しずつだが流司に自分の中に溜めていることを話していくようになった






離婚が決まって、大きな家には私と母の二人だけになった


私はこれからずっと母と二人で暮らしていくつもりだと思っていた


やっと、喧嘩の日々から開放される、幸せな日々がやってくる…そう思っていた


しかしそんな幸せな日々はこなかった