ドクンドクンと心地良く高鳴る鼓動が私の気持ちを教えてくれる。
私は高梨部長の事が好きなんだ。
彼が笑えば私も嬉しくて。
彼が哀しい顔をすれば胸が張り裂けそうになる。
彼に触れられる度に馬鹿みたいにドキドキして。
もっと触れて貰いたいって心のどこかで高梨部長を求めていた。
仕事が出来て優しくて、憧れの存在だった高梨部長に私はいつの間にか恋に堕ちていたんだ。
自覚した淡い恋心は膨らむ一方で私の鼓動を速めていく。
彼と深い関係になりたい訳ではない。
私と高梨部長では釣り合わないって事は自分がよく分かっている。
だけど、無理だと分かっていても諦められないのが恋なんだ。
「……高梨部長……」
「ん……?どうした?」
「……恥ずかしいので離して下さい」
自分の気持ちがバレない様に明るく言ったつもりだった。
それでも緊張からか声が震えてしまう。
そんな私を見ながら高梨部長はクスリと笑い、私の背中に回っていた腕の力を強くした。
「恥ずかしいって事は……ちょっとは俺の事を意識してるって事か?」
「た……高梨部長!」
からかう様に笑う彼に胸が痛くなる。
好きな人に触れて貰える事は嬉しい。
でも……。
「期待させないで下さいよ……」
「桜木……?」
「え?あっ……何でもないです!
オフィス戻りましょう!!」
思わず漏れた声を誤魔化す様に私はスルリと高梨部長の腕から抜けて笑顔を浮かべる。
高梨部長は一瞬だけ哀しそうな顔をするけど直ぐにいつもの笑顔に戻り『そうだな』と歩き出す。
「……」
彼の背中を見ながら言葉に出せない想いを心で呟いた。
好きです。
高梨部長……。
私の事を好きになってくれとは言いません。
でも、好きでいる事は許して下さい……。
聞こえるはずがない言葉に反応する様に高梨部長は振り向いた。
そして飛び切りの笑顔を私に向けてくれる。
「行くぞ桜木!」
「……はい!」
私は恋心を胸にしまい込み走り出す。
彼にとっていい部下であり続けられる様に……。
私は高梨部長の事が好きなんだ。
彼が笑えば私も嬉しくて。
彼が哀しい顔をすれば胸が張り裂けそうになる。
彼に触れられる度に馬鹿みたいにドキドキして。
もっと触れて貰いたいって心のどこかで高梨部長を求めていた。
仕事が出来て優しくて、憧れの存在だった高梨部長に私はいつの間にか恋に堕ちていたんだ。
自覚した淡い恋心は膨らむ一方で私の鼓動を速めていく。
彼と深い関係になりたい訳ではない。
私と高梨部長では釣り合わないって事は自分がよく分かっている。
だけど、無理だと分かっていても諦められないのが恋なんだ。
「……高梨部長……」
「ん……?どうした?」
「……恥ずかしいので離して下さい」
自分の気持ちがバレない様に明るく言ったつもりだった。
それでも緊張からか声が震えてしまう。
そんな私を見ながら高梨部長はクスリと笑い、私の背中に回っていた腕の力を強くした。
「恥ずかしいって事は……ちょっとは俺の事を意識してるって事か?」
「た……高梨部長!」
からかう様に笑う彼に胸が痛くなる。
好きな人に触れて貰える事は嬉しい。
でも……。
「期待させないで下さいよ……」
「桜木……?」
「え?あっ……何でもないです!
オフィス戻りましょう!!」
思わず漏れた声を誤魔化す様に私はスルリと高梨部長の腕から抜けて笑顔を浮かべる。
高梨部長は一瞬だけ哀しそうな顔をするけど直ぐにいつもの笑顔に戻り『そうだな』と歩き出す。
「……」
彼の背中を見ながら言葉に出せない想いを心で呟いた。
好きです。
高梨部長……。
私の事を好きになってくれとは言いません。
でも、好きでいる事は許して下さい……。
聞こえるはずがない言葉に反応する様に高梨部長は振り向いた。
そして飛び切りの笑顔を私に向けてくれる。
「行くぞ桜木!」
「……はい!」
私は恋心を胸にしまい込み走り出す。
彼にとっていい部下であり続けられる様に……。

