「……桜木……よくやったな」
「え?」
「あのまま役を決定していれば……“完成”と呼べるゲームは出来なかった。
お前の仕事への熱意が皆に伝わっていい物を作り上げたんだ」
高梨部長は目を細めながら私を見る。
彼の笑顔が、彼の声が、私の胸を弾ませていく。
「そ……そんな事ないです。
高梨部長があの時……私の背中を押してくれたから……皆を説得してくれたから……。
だから高梨部長のお蔭です!」
そう言って笑えば『ったく』とタメ息交じりに高梨部長は言葉を吐き捨ててた。
え?と首を傾げれば私の体が大きく前に傾いた。
でも倒れる事も無くポスリと音を立てながら温もりへと包まれていた。
「お前はもっと素直に喜べよ。
俺がこんなに褒めるなんて珍しいんだからな?」
耳元で聞こえてくる優しい声。
鼻を掠めるシトラス系の香り。
ああ、私は高梨部長に抱きしめられているんだ。
そう理解するのに時間は掛からなかった。
恥ずかしい気持ちはあるけど嫌じゃない。
寧ろ……嬉しい。
「高梨部長はいつも褒めてくれていますよ。
……優しいですから……」
抵抗する事なく高梨部長の腕の中でそっと目を閉じる。
彼の優しさに身を任せながら、幸せな時間に浸っていた。
「……お前は優秀だからな」
「……高梨部長は褒め過ぎです」
「ばーか、本当の事だから仕方がないだろう?」
2人で顔を見合わせながら笑いあう。
こんな些細な事でも高梨部長となら幸せへと変わるんだ。
「え?」
「あのまま役を決定していれば……“完成”と呼べるゲームは出来なかった。
お前の仕事への熱意が皆に伝わっていい物を作り上げたんだ」
高梨部長は目を細めながら私を見る。
彼の笑顔が、彼の声が、私の胸を弾ませていく。
「そ……そんな事ないです。
高梨部長があの時……私の背中を押してくれたから……皆を説得してくれたから……。
だから高梨部長のお蔭です!」
そう言って笑えば『ったく』とタメ息交じりに高梨部長は言葉を吐き捨ててた。
え?と首を傾げれば私の体が大きく前に傾いた。
でも倒れる事も無くポスリと音を立てながら温もりへと包まれていた。
「お前はもっと素直に喜べよ。
俺がこんなに褒めるなんて珍しいんだからな?」
耳元で聞こえてくる優しい声。
鼻を掠めるシトラス系の香り。
ああ、私は高梨部長に抱きしめられているんだ。
そう理解するのに時間は掛からなかった。
恥ずかしい気持ちはあるけど嫌じゃない。
寧ろ……嬉しい。
「高梨部長はいつも褒めてくれていますよ。
……優しいですから……」
抵抗する事なく高梨部長の腕の中でそっと目を閉じる。
彼の優しさに身を任せながら、幸せな時間に浸っていた。
「……お前は優秀だからな」
「……高梨部長は褒め過ぎです」
「ばーか、本当の事だから仕方がないだろう?」
2人で顔を見合わせながら笑いあう。
こんな些細な事でも高梨部長となら幸せへと変わるんだ。

