「はっ……別に最初はそんなつもりはなかったさ。
“いい人”の方が何かとウケがいいからな。
だからそれを利用したまでだ、それを周りの奴らが勝手に誤解しただけだろう……?」
新條さんの言葉にカーッと頭に血が上る。
確かに新條さんの言う通りだ。
取り繕った姿を鵜呑みにして信じた女性たちも少なからず非はある。
だけど……。
「女性の心を利用して、お金まで巻き上げるなんて最低です!」
「は?巻き上げる?
言っただろう?俺は『働く時間が惜しい』と言っただけだ。
金をくれなんて言った覚えは微塵もねぇよ」
そう言って不敵に口角を引き上げる新條さんに何も言えなくなる。
私には関係ないし、これ以上口を挟む理由もない。
生き方なんて人それぞれだしそれを否定する資格も私にはない。
でも……。
私は昨日の光景を思い出していた。
新條さんと一緒にいた女性は、本当に幸せそうな顔をしていた。
心から彼を信じて愛しているんだって、そう思ったら無性に哀しくなった。
「貴方は……哀しい人ですね」
「あ?」
驚いた様に私を見る彼は、更に目を丸めた。
「何で泣いて……」
「分かりません。
でも貴方を見ていると凄く哀しくなるんです」
自分でも分からない気持ちに戸惑いながらも口を開いた。
“いい人”の方が何かとウケがいいからな。
だからそれを利用したまでだ、それを周りの奴らが勝手に誤解しただけだろう……?」
新條さんの言葉にカーッと頭に血が上る。
確かに新條さんの言う通りだ。
取り繕った姿を鵜呑みにして信じた女性たちも少なからず非はある。
だけど……。
「女性の心を利用して、お金まで巻き上げるなんて最低です!」
「は?巻き上げる?
言っただろう?俺は『働く時間が惜しい』と言っただけだ。
金をくれなんて言った覚えは微塵もねぇよ」
そう言って不敵に口角を引き上げる新條さんに何も言えなくなる。
私には関係ないし、これ以上口を挟む理由もない。
生き方なんて人それぞれだしそれを否定する資格も私にはない。
でも……。
私は昨日の光景を思い出していた。
新條さんと一緒にいた女性は、本当に幸せそうな顔をしていた。
心から彼を信じて愛しているんだって、そう思ったら無性に哀しくなった。
「貴方は……哀しい人ですね」
「あ?」
驚いた様に私を見る彼は、更に目を丸めた。
「何で泣いて……」
「分かりません。
でも貴方を見ていると凄く哀しくなるんです」
自分でも分からない気持ちに戸惑いながらも口を開いた。

