急いで体を起こし、部屋を後にしよと自分の鞄を掴んだ時
後ろからバツの悪そうな声が聞こえてきた。
「何も無かった」
「え……?」
振り返ればガシガシと怠そうに頭を掻く新條さんが目に映った。
彼はそのままベッドの淵に腰を掛けると深くタメ息をつく。
「な……何も無かったって……」
「昨日、俺たちの間にヤマシイ事はなかったって事だ」
その言葉に安心した様に私は床へと崩れ落ちるようにしゃがみ込んでしまう。
安堵からか目からは涙が溢れ出てくる。
止める術も分からず私は1人で泣き続けていた。
「……悪かった」
謝罪の言葉を口にする彼は少し寂しそうで、私には悪い人だとは思えなかった。
でもどうしても納得が出来ない事がある。
「何で……私はその……服を着ていなかったんですか?
それに……貴方はいかにも私たちの間に……その……何かがあったような口ぶりでしたし……」
自分で言っているのに恥ずかしさが勝り頬へ熱が集まってくる。
そんな私を見ながら新條さんは疲れた様に笑みを零した。
「服は皺が出来ると思って脱がした。
着替えがある訳じゃないしそれを着て帰らなきゃいけないしよ」
そう言った彼の顔には反省が見えなかった。
多分だが彼は親切の為にやってくれたのだろう。
服を脱がすという行為が男と女ではこうも価値観が違うものなのかと驚きを覚える。
でも彼を咎める気にはなれなかった。
後ろからバツの悪そうな声が聞こえてきた。
「何も無かった」
「え……?」
振り返ればガシガシと怠そうに頭を掻く新條さんが目に映った。
彼はそのままベッドの淵に腰を掛けると深くタメ息をつく。
「な……何も無かったって……」
「昨日、俺たちの間にヤマシイ事はなかったって事だ」
その言葉に安心した様に私は床へと崩れ落ちるようにしゃがみ込んでしまう。
安堵からか目からは涙が溢れ出てくる。
止める術も分からず私は1人で泣き続けていた。
「……悪かった」
謝罪の言葉を口にする彼は少し寂しそうで、私には悪い人だとは思えなかった。
でもどうしても納得が出来ない事がある。
「何で……私はその……服を着ていなかったんですか?
それに……貴方はいかにも私たちの間に……その……何かがあったような口ぶりでしたし……」
自分で言っているのに恥ずかしさが勝り頬へ熱が集まってくる。
そんな私を見ながら新條さんは疲れた様に笑みを零した。
「服は皺が出来ると思って脱がした。
着替えがある訳じゃないしそれを着て帰らなきゃいけないしよ」
そう言った彼の顔には反省が見えなかった。
多分だが彼は親切の為にやってくれたのだろう。
服を脱がすという行為が男と女ではこうも価値観が違うものなのかと驚きを覚える。
でも彼を咎める気にはなれなかった。

