大人の恋は波乱だらけ！？

「随分とまあ酷い起こし方だな。
もう少し可愛く起こせよ」


そう言いながら再びベッドへと潜り込む新條さんに私は呆然としてしまう。
私がココにいると知って驚かないという事は、彼は私がココにいる事を知っていたという事。

必死に記憶を辿るが思い当たる節は無かった。
ヤケ酒したのは覚えてるけど……。


「あの……」

「あ？」


恐ろしい声に尻込みしてしまいそうになるが私は負けじと声を出す。


「どうして私はココにいるんですか？
ココは貴方の部屋……ですよね……？」


ホテルにしては生活感がありすぎるし、私の部屋でないとすれば彼の部屋しかありえないだろう。
そう思いながら新條さんの言葉を待っていれば鼻で笑われる。


「覚えてねぇのかよ」


パチリと目を開け私を見つめニヤリと口角を引き上げる。


「お……覚えてません……」

「ふーん」


素直に言えば、興味がなさそうに目を閉じてしまった。


「どうでもいいけど、服着るなりベッドに入るなりすれば？
俺は別にどっちでもいいけど」


彼の言葉にハッとした様に自分の体を見る。
勿論、さっき同様に体には何も身に着けられていない訳で……。


「きゃあ！」


小さく悲鳴を上げて自分の体を抱きしめた。
裸のまま彼と喋っていた、その事が頬を赤めていく。


「朝から……うるせーな」

「す……すみません……」

「……服ならそこらへんにあるから」

「あ……どうも……」


床に落ちていた服を見つけ、急いで身に着ける。