大人の恋は波乱だらけ!?

目の前にあるカルーアミルクを眺めながら軽くタメ息をつく。
高梨部長が持ってきてくれたんだよね、そう思うだけで頬が緩むがやはり哀しさは消えなかった。
それを掻き消す様に、一気にカルーアミルクを煽る。


「お~いい飲みっぷりだね~葉月ちゃん~」

「先輩?大丈夫ですか?
フラフラじゃないですか」


倒れこむ様にさっきまで高梨部長が座っていた席に座る先輩。
いきなり距離を詰められ、無意識に体が強張ってしまう。
まぁ、酔っている先輩にはそんな事は関係なしだろうが。


「葉月ちゃんって本当に可愛いよね~」

「そんな事ないですよ。
それより飲み過ぎですよ……」


私を可愛いと言うくらいだから重症だと思う。
苦笑いしながら、先輩が飲んでいたお酒のグラスを遠ざける。


「そんな事あるよ~!
社内でも可愛いって有名だよ~」

「ちょっ……先輩……」


先輩の言葉は気になったがそれどころではなかった。
いきなり肩に腕を回され先輩の胸へと頭を押し付けられる。


「ねぇ付き合ってる人いるの?」

「い……いないです……。
って離してくださいっ……!」


酔っ払いといえども男の人だ。
力が強くて離れることが出来ないでいた。

周りの人は酔い潰れていたり、話しに夢中になっていたりで、こっちなんて見向きもしない。
だから助けて貰えることはないだろう。

自分で何とかしなきゃ、そう思うが手も足も出ない。