大人の恋は波乱だらけ!?

「な……何だったんでしょうね……今の音……」

「……さあな」


気まずい空気が私たちの間に流れていた。
やっぱりさっきはキスされそうになったのかな、思い出しただけで胸が高鳴る。


「……悪かった」

「え……?」

「急にあんな事……」

「い……いえ」


小さく首を横に振りながら高梨部長を見つめる。

少し驚いたけど、もしあのままキスをされたとしても嫌じゃなかったに違いない。
心地良いリズムを奏でる心臓がそれを証明していた。

どうしたんだろう私。
これが他の人なら絶対に嫌悪感が生まれただろう。
でも高梨部長とだったら……。


「っ……!!」

「桜木?顔が紅いぞ?酔っぱらったのか?」

「ち……違います!」


心配そうに私の顔を覗き込む高梨部長。
私は慌てて否定しながら頼んだお酒を口に運ぶ。

流石に言う訳にもいかない。
高梨部長とならキスしても良かった、なんて。

熱を帯びた頬を冷ます様に手で自分を扇いだ。