大人の恋は波乱だらけ！？

「悪いな、あんな話をしちまって」

「……いえ」


居酒屋を出た私たちは店の前で軽く話し合う。


「高梨部長の事を知れたのでよかったです」

「……ったく、本当に可愛い奴だな」

「高梨部長！お世辞は……」

「お世辞じゃないさ」


ポンポンと頭を撫でられ、恥ずかしさのあまり俯いてしまう。
なんかおかしいな、高梨部長に触られるなんて珍しい事じゃないのに……。
胸が締め付けられるような感覚になる。
恥ずかしさを紛らわす為に私は声を上げる。


「そ……それより本当にいいんですか……？
ご馳走になってしまって……」


私がお手洗いに行っている間に当たり前の様にお会計を済ましていた高梨部長。
何度払うといっても受け入れてはくれなかった。


「いいって言っているだろう？
素直に甘えとけ、なっ？」

「……ありがとうございます。
……ご馳走様でした」


奢って貰う事が苦手な私は少し戸惑ってしまう。
でも返って失礼になるかと思い好意に甘えさせて貰ったが……。
やはり、気持ちが落ち着かない。