夢を諦めきれずウジウジとしていたあの時。
貴方が私の目の前に現れた。

爽やかな仮面を被った最低な王子様。

常識も通じず、価値観も合わず。

恋に堕ちるなんて思ってもいなくて……。
それでも私たちはお互いを求めてしまった。


沢山の人を傷つけて、助けられて……。

何度もすれ違って。

夢も恋も諦めかけていたけど……。


今、貴方の手を掴んでいる。


『どんなに格好悪くても諦めんじゃねぇよ。
夢の為なら必死扱いて努力しろ。
……それが出来ないなら後悔なんかするんじゃねぇよ』


貴方がくれた言葉、今でも鮮明に覚えてる。

我儘で、理不尽で、最低だけど……。
どこまでも真っ直ぐな貴方に私は惹かれたんだ。



「あっ」


同時に声を上げる私たち。


「デビューおめでと」


2人の声が空に消えていく。

夢を叶え、愛を掴み……。
これからも2人で生きていこう。

最低で最高な貴方の隣で……。




【END】