「俺が1番ガキだった。どうしても忘れられねぇんだ。
葉月と過ごした時間が……お前を愛した想いが……」

「すば……る……さん」

「いい歳して……こんなに恋愛に振り回されるとは思ってなかった。
誰かを……こんなに愛しく思うのは初めてだ」


彼のひと言ひと言が胸に染み込んでくる。

昴さんが私を見る目が優しくて……。
あの時の冷たい目の面影なんかなくて。

泣けてくるんだ……。


「好きだ、もう2度と離さねぇ。
こんな馬鹿な俺でも……傍にいてくれるか……?」


不安げなその表情。
いつも自信満々なくせに……。
私はムスッと顔を顰めて昴さんを見つめた。


「……離してあげませんから……」

「……はっ!上等だ」


不安そうな顔は一気に消えてムカつくくらいイイ顔で笑っている。

やっぱり、昴さんはこうでなくちゃ。

頬に流れた涙を手で拭いにっと口角を引き上げる。