大人の恋は波乱だらけ！？

「……」

「……」


気まずい空気の中、ゴクゴクとお水を飲む音だけが私たちの間に流れていた。
居酒屋の喧騒が遠くに聞こえるほど私は緊張していた。

高梨部長が変な事を言ったせいで恥ずかしくなっちゃった。
火照った頬を仰ぐように手を動かす。

気まずい空気に耐えきれなくなった私は高梨部長に話しかけた。


「あの【大人の恋愛】ゲームの事なんですけど……」

「……」


私の言葉を聞いた高梨部長は呆れたように笑った。
その理由が分からず首を傾げていれば向かいに座っていた高梨部長の手が真っ直ぐに伸びてきた。


「ったく、飲んでる時くらい忘れればいいものを……。
真面目だな……お前は……」

「だって早く完成させないと……」


大きな掌が私の頭にのると、優しく撫で回される。


「わっ……高梨ぶちょ……」


髪の毛がグシャグシャになる！
高梨部長を止めようとすれば優しい声に遮られる。


「焦って何になる？いいアイディアが出るのか？」


高梨部長は私を諭すように言うと、頭から頬、そして顎へと手を滑らせた。