大人の恋は波乱だらけ!?

―結婚式当日―


「わぁ……緊張する」

「そうか?」

「そうですよ!!」


ドレスを身に纏った私の隣には仁さんがいる。
緊張をする私を苦笑いで見ながらも優しく頭を撫でてくれる。


「あ!髪の毛が!」

「悪い!いつもの癖で……」


慌てた様に私の髪を手で整えてくれる。
優しい手つきに身を任せていれば眠たくなってくる。


「こら、寝るな」

「うー……眠い……」

「また徹夜したのか!?」

「ちょ……ちょっとだけ……」


疑うような視線に負けて素直に頷いてしまう。
すると、仁さんは不機嫌そうに口を尖らせる。


「こんな大事な日の前日に徹夜するバカがいるか!」

「だ……だって〆切が……」

「うるさい」


問答無用といったように頬っぺたを掴まれる。
痛さを我慢しながら謝れば漸く解放してくれたけど……。
何も引っ張らなくたっていいのに。
少し不貞腐れていれば、機嫌を直す様に頭を撫でてくれる。