大人の恋は波乱だらけ!?

「なあ葉月」

「なんですか?」


扉に手をかけた所で仁さんに呼び止められる。
振り向こうとしたけれど、それを阻止する様に、扉に添えていた手を掴まれる。


「後悔していないか……?」

「……」


その言葉は仁さんの口癖なのかな?
もう何度彼の口から同じ言葉を聞いただろうか。
そして、私の答えも決まって同じ。


「後悔なんてしていません」


反対の手で仁さんの手に触れる。


「葉月……」

「温かいですね、仁さんの手」

「お前の手も温かいよ」


彼は少し顔を紅めた。
近い距離感に緊張をしながらも仁さんを見上げた。


「明日……楽しみですね」

「……ああ」


2人で見つめ合い微笑み合う。
それだけで心が温かくなるんだ。