大人の恋は波乱だらけ!?

「相変わらずですね田中部長も……」

「……まあな。それより明日、遅刻するなよ?」

「……分かってますよ」


仁さんは信用していないのかジーと私を見ていた。
まあ、今日の件があるから仕方ないけど……。


「大事な日に遅刻なんてしません」

「……そうか、ならいい」


彼は大きな手で私の頭を撫でまわす。
その手つきは優しくて、思わず顔が緩んでしまうんだ。


「何ニヤけてるんだ?」

「別に何でもないです」

「そうか」


手つき同様に優しいその笑顔。
いつまでも見ていたい。
でもそういう訳にもいかなかった。


「すみません、出版社と打合せがあるので今日はこれで」

「ああ、また明日な」

「はい」


ペコリと頭を下げ立ち上がる。
彼も立ち上がり扉の所まで送ってくれる。