大人の恋は波乱だらけ!?

「友輝ってばどうしたんだろ?」

「……気を遣ってくれたんじゃないかな……?」

「気を……?」


首を傾げれば高梨部長はクスッと笑って私の手を掴んだ。


「あっちに移動して飲みなおそう」

「はい」


高梨部長はエスコートする様に私の体を支えてくれる。
紳士的で優しくて……。
私には勿体ないくらいの素敵な人。
そんな人にプロポーズされたなんて今でも信じられない。


「……どうぞ、プリンセス」

「た……高梨部長!」

「ははっ!怒るなよ!」


高梨部長は私を座らせる。
カウンターのいつもの場所。
慣れた様に私の隣に座るとマスターに声をかけていた。

緊張でそのやり取りは聞こえなかったけど。
ドキドキが止まらない。


「どうした?」

「い、いえ」


高梨部長が覗き込むように私を見ていた。
大袈裟なくらいに首を横に振れば、優しい笑みが返される。