大人の恋は波乱だらけ!?

「何ムキになってるの?友輝らしくないよ」

「……」


ふざけた様に言ったけど彼の怒りは募る一方だった。
このままでは気まずい雰囲気になりかねない。
長年の付き合いだからこそ分かる空気に私はタメ息を吐いた。


「昴さんは……」

「……うん」

「昴さんは私に夢を追いかける勇気をくれようとしたの」

「え……」

「あの人の強い背中に憧れて。
何処までも真っ直ぐな瞳に惹かれた」


この先もずっと私は昴さんを想うだろう。
夢を追いかけるあの人を、尊敬し続ける。

だからこそ……。


「あの人が私の幸せを望んでくれたのなら……。
私は幸せにならなくちゃいけない。
誰よりも幸せになって……いつか……この手で夢を掴むの」

「……葉月」


自分の右手をぎゅっと握りしめてニコリと笑う。
そんな私を心配そうに見つめていた友輝。
でもすぐに頬を緩ませた。


「変わったなお前……」

「……そうかもね。私を変えてくれたからあの人が」


夢を追いかけ続けるあの人の夢が……。

どうか叶います様に。
それが私のたったひとつの願い。