大人の恋は波乱だらけ！？

「いきなりなんかじゃないさ。ずっと考えてきた」

「高梨部長……」


彼の名前を呼べば、ゆっくりとこちらを向いてくれる。
交じり合った視線に胸が高鳴るのが分かる。

彼はいつもの優しい顔ではなかった。
唇を軽く引き上げ、真っ直ぐな瞳で私を見つめている。
その真剣な眼差しは私の心を揺らしていく。


「この数カ月は仕事でタイミングが掴めなかったが……。
俺が結婚をするなら桜木しかいないって……お前に出逢って、好きになった時からそう思っていた」

「た……高梨部長……」


ストレートな言葉に顔が熱くなって真っ直ぐに高梨部長が見れない。
俯きながらも彼の優しい声は耳に届いてくる。


「桜木を幸せに出来るのは俺だ。
新條さんでも……他の男でもない」

「……私は……」

「これからも一緒にゲームを作って行こう。
お前となら……もっと消費者が楽しめるモノが作れると思うんだ」


高梨部長は俯いていた私の頬にそっと手をあてた。
そのまま優しく上を向かせられる。


「俺の隣で……一緒に歩いて欲しい」


真剣な顔つきの中に柔らかさが垣間見られる高梨部長。
ドクンドクンと脈打つ心臓を感じながら彼を見続けた。