「もしもし明美?え?ごめん聞こえない!!」

『だから!!______!!』


明美の大声が耳に届いた。
でもそれは信じがたい内容だった。

放心状態になりながらも電話を終えた私はフラフラと高梨部長の席へと向かった。


「たか……高梨部長……」

「桜木?どうした!?泣きそうな顔して……」

「……です」

「え……」

「在庫切れです」

「え……」

「多くの店舗から次々に在庫切れの電話が販売部にかかってきて……。
追加注文を頂いたって……生産が間に合わないくらいだって……」


タドタドシイ日本語で。
でも最後まできちんと伝えた。

今まで何作品か作ってきたけど……。
こんな事は始めてで……。

頭の中が真っ白だ……。


「ほ、本当か!?」

「は……はい……。明美が教えてくれたので……」

「っ……!!桜木!!」

「あっ……」


高梨部長は立ち上がり私に近付くと勢いよく体を抱き寄せた