大人の恋は波乱だらけ！？

「じゃあ乾杯」

「か……乾杯」


グラスがぶつかる気持ちの良い音が響き渡る。
目の前には美味しそうにビールを流し込む高梨部長がいて、私は緊張でおかしくなりそうな自分を消し去る様にカルーアミルクを煽った。

仕事を終えた私たちは居酒屋に来ていた。
2人で飲みに来るなんて初めてで、ドキドキと高鳴る胸を抑えながらグラスを机に置く。


「んん～沁み渡る～」


私と同じようにグラスを置いた高梨部長の顔は幸せそうに緩んでいた。


「ふふっ」

「なに笑ってんだよ？」

「いえ、何でもないです！」


高梨部長を見て笑っていれば、口を尖らせて私の方を見てくる。
少し子供っぽい表情に私の顔は益々緩んでいく。


「まあいいけどよ！
ほら食べようぜ！腹減って倒れそうだ」

「はい。いただきます」

「いただきます」


2人で食事をしながら色々な話をする。

他愛無い話から少し込み入った話まで。
高梨部長とならどんな話でも楽しく感じた。