そう思い口を開こうとするけれど……。
「そうだよな……すまない……」
高梨部長は皆にもう1度頭を下げて、オフィスから出て行ってしまう。
その背中はいつもの頼りがいのある大きな背中ではない。
儚げで、切ない、小さな背中だった。
それなのに……私は彼を引き止める事すら出来なかったんだ。
「……行かなきゃ……」
小さく呟いた声。
それは近くにいた先輩にも聞こえていたみたいだ。
「桜木ちゃん、まさか高梨部長の所へ行くつもり?」
「何でだよ!あの人は俺たちを騙してたんだぞ!?」
先輩を筆頭に次々と言葉が降り注がれる。
皆の気持ちは分からなくはない。
だけど……。
「私は高梨部長が悪いとは思いません」
「は……!?」
「騙されたとか、騙されてないとかそんなのどうだっていいです!
ただ……彼の哀しみに気が付かなかった私が1番嫌なんです。
だから失礼します!」
私は頭を下げてオフィスを飛び出した。
「そうだよな……すまない……」
高梨部長は皆にもう1度頭を下げて、オフィスから出て行ってしまう。
その背中はいつもの頼りがいのある大きな背中ではない。
儚げで、切ない、小さな背中だった。
それなのに……私は彼を引き止める事すら出来なかったんだ。
「……行かなきゃ……」
小さく呟いた声。
それは近くにいた先輩にも聞こえていたみたいだ。
「桜木ちゃん、まさか高梨部長の所へ行くつもり?」
「何でだよ!あの人は俺たちを騙してたんだぞ!?」
先輩を筆頭に次々と言葉が降り注がれる。
皆の気持ちは分からなくはない。
だけど……。
「私は高梨部長が悪いとは思いません」
「は……!?」
「騙されたとか、騙されてないとかそんなのどうだっていいです!
ただ……彼の哀しみに気が付かなかった私が1番嫌なんです。
だから失礼します!」
私は頭を下げてオフィスを飛び出した。

