大人の恋は波乱だらけ!?

「お前は甘いんだ。
だから仕事にも甘さが出るんだろう?」

「甘い?俺のどこが……」

「その中途半端な優しさは社員にとっては迷惑なんだ。
上に立つものとしてちょっとは自覚を持て」


ヒートアップしていく会話。

社長と社員の話だけど、それだけじゃないように聞こえる。
だって2人の間に流れる空気は、まるで……。


「……親子みたい」

「親子!?」


ポツリと呟いた言葉は明美にも聞こえていたみたいだ。


「あ、いや……」


口を閉じれば明美はハッとした様に私から目を逸らした。
喧嘩していた事を思い出したのだろう。
少し距離を置きながらも、会話を聞く彼女。
それを倣って私も耳を澄ます。


「俺は……アンタみたいにはならない」

「いつまで意地を張るつもりだ?
もっと上にいきたいと思わないのか?
いつまで部長職に留まるつもりだ?」

「俺はあそこでの仕事があっています。
……何より楽しいんです」


顔を見なくても高梨部長が優しい笑みを浮かべている事が分かる。
だって、仕事の話をする時の彼はキラキラと輝いているから。