大人の恋は波乱だらけ!?

「いやぁ……」


自分の声じゃない、そう思うくらいの情けない声。
昴さんは構う事なく手を動かしていく。

プチン、プチンと音を立てながらブラウスのボタンが外されていく。
その手を必死に掴むけれど、男の人の力に敵うはずがなく胸元まで外されたボタン。

キャミソールが胸を隠してくれているとはいえ、そんな薄っぺらいものでは心許なくて。
恥ずかしさから顔を背ける。


「おい」

「……あっ……」

「俺から目を背けるな」

「昴さ……」

「俺だけを見ていろ」


無理やり顎を掴まれて昴さんの方に顔を向けられる。

交じり合う視線。

その顔は大人びていて。
少しドキリとしてしまうんだ。

そんな呑気な事を想っている場合ではない。

それは分かっているのに、高鳴る鼓動が治まらない。


「葉月」

「っ……」


酷い事をされているのに。

何でそんな優しく私の名前を呼ぶの?
何でそんなに優しい手つきで私の頬を触るの?

分からない。

知りたいけど知りたくない。

そんな想いが胸の中をグルグルと回っていく。