大人の恋は波乱だらけ!?

「あの……高梨部長……落ち着いてください」


彼の腕を掴めば、再びガタンとテーブルが揺れたんだ。

でも、私も高梨部長も何もしていない。

視線を前にずらせば、偽りの笑顔を浮かべたまま立ち尽くす昴さんが目に映った。
でも、その瞳は冷たくて、何も考えられなくなる。


「……」


黙ったまま見つめていれば、彼は急に歩き出した。


「え……?わっ……!」


無理やり腕を引っ張られて立たされる。
驚く暇もなく、そのまま引きづられる様にして座敷を降りた。


「桜木!?」

「スバルさん!?」


皆の声を背に聞きながらも私は立ち止まることは出来ない。

だって。
掴まれている腕が嫌に熱いのだから。