「いや」
高梨部長の優しさはいつも変わらない。
手のひらの温かさを感じながら私は明美を見つめた。
「私と昴さんは仕事上のパートナーだよ」
「葉月……」
明美は一瞬だけ口を閉ざすけれど、すぐにフッと口元を緩めた。
「分かった、信じる。
信じていいんですよね……スバルさん……」
縋る様な目で昴さんを見つめる明美。
でも、昴さんは何も言わない。
いつもの彼なら直ぐに仮面を被って対応するのに。
今日に限って昴さんは何もしないんだ。
あのキスといい、私と住んでいる事をバラした事といい。
今日はやっぱり様子が変だ。
そう思っていれば漸く昴さんは口を開いた。
「僕を信じてくれとはいいません。
だけど、葉月は信じてあげて下さい」
昴さんは隣の明美ではなく、私の方を見ていた。
その眼差しは柔らかくて、深くにもドキッとしてしまう。
本当にどうしたのだろうか。
昴さんらしくない。
目を逸らさないと、心ではそう思っているのに。
昴さんを見つめたまま動けなかった。
高梨部長の優しさはいつも変わらない。
手のひらの温かさを感じながら私は明美を見つめた。
「私と昴さんは仕事上のパートナーだよ」
「葉月……」
明美は一瞬だけ口を閉ざすけれど、すぐにフッと口元を緩めた。
「分かった、信じる。
信じていいんですよね……スバルさん……」
縋る様な目で昴さんを見つめる明美。
でも、昴さんは何も言わない。
いつもの彼なら直ぐに仮面を被って対応するのに。
今日に限って昴さんは何もしないんだ。
あのキスといい、私と住んでいる事をバラした事といい。
今日はやっぱり様子が変だ。
そう思っていれば漸く昴さんは口を開いた。
「僕を信じてくれとはいいません。
だけど、葉月は信じてあげて下さい」
昴さんは隣の明美ではなく、私の方を見ていた。
その眼差しは柔らかくて、深くにもドキッとしてしまう。
本当にどうしたのだろうか。
昴さんらしくない。
目を逸らさないと、心ではそう思っているのに。
昴さんを見つめたまま動けなかった。

