大人の恋は波乱だらけ!?

「じゃあ自己紹介といきますか!」

「……その必要はないですよ」


明美の明るい声に、爽やかな仮面を被った昴さんが首を横に振った。


「え?」

「僕は皆さんの事を知っていますし」

「嘘!?葉月と高梨部長もスバルさんの事を知ってるの!?」


さっきと同じ様に目を丸める明美。

だけど私も高梨部長も上手い言葉が見つからなかった。

高梨部長も昴さんの本性を知っている。
だからこそ、口を開けないでいるのだろう。

でも私よりずっと大人の彼はニコッと笑顔を浮かべるんだ。


「俺たちも仕事関係でね」

「ああ!そうそう!
葉月に紹介したんだよ、新條さんの事」


高梨部長の言葉に頷きながら『なあ?』と私に確認をしてくる友輝。

何とか頷いたけれど。
浮かべた笑顔はギコチナイものになってしまった。


「……その前から僕は葉月の事を知っていましたよ」

「スバルさん……?」

「ずっと言おうと思っていたんですけど……。
僕は葉月と一緒に住んでいるんです」


いきなりのカミングアウト。

明美も友輝も。

そして、高梨部長と私も。

驚かずにはいられなかった。