大人の恋は波乱だらけ!?

暫く4人で飲んでいれば、またもや明美が声を上げた。
今度は少し照れた様な、乙女な顔つきをしながら。


「こっちだよ!!」


ワントーン上がった声に、私も友輝も見つめ合って苦笑いを浮かべる。
高梨部長も少し驚いていたけど、顔には出さない所は流石だった。


「すみません、遅くなりました」

「っ!?」


後ろから聞こえてきたのは、凄く聞き覚えのある声だった。
思わず肩を揺らしてしまう。


「桜木?どうした?顔が真っ青だぞ?」


よっぽど酷い顔をしていたのか、高梨部長は心配そうに私の肩に触れた。

だけど、私は反応をする事が出来ない。

だってこの声は……。
頭の中に浮かんだある人の名前。
それを口にしたのは私ではなかった。


「スバルさん!」

「新條さん!?」


嬉しそうな明美の声と驚いた様な友輝の声。

その2つが交じり合って。

私の中には絶望しか残らなかった。


「えっ……」


少し戸惑った様な声が後ろから聞こえてくる。
それはさっきまで一緒にいた昴さんだった。