大人の恋は波乱だらけ!?

「ただいまー……ってわ!?」


家の玄関を開ければ、壁に寄りかかりながら立つ昴さんが目に映った。

痛いくらいに突き刺さる視線。

昴さんは睨みつける様に私を見ていた。


「朝帰りとは……随分と偉くなったものだな」

「す、すみませ……」


低い声に肩が揺れる。
それでも謝ろうと口を開いたが、バンッと響く鈍い音に何も言えなくなってしまった。


「……」


近くの壁を叩いたのか、昴さんの拳は壁に置いてあったままだった。

眉を顰めて、歯を食いしばって。
いかにも怒っています、と分かる昴さんの顔。

でも、何で怒っているの?

分からなくて、見上げるけれど、理由なんて浮かんでこない。


「昴さ……」

「アイツと一緒だったのかよ」


“アイツ”が高梨部長の事を指しているなんてことはすぐに分かる。

コクリと頷けば、ピクリと眉が動いた。


「あの……」

「ふざけんな……」

「え?」


震える声に目を見開けば、いきなり彼は私の方に向かって手を伸ばした。


「っ……!?」


そのまま抱き寄せられて、唇を塞がれる。