大人の恋は波乱だらけ!?

「無茶苦茶にしたくなるんだ……お前の事。
……俺に、俺だけに……狂わせたくなる……」


耳元で囁かれて、ピクリと体が揺れる。

彼の言葉は偽りなんかには聞こえなくて。

本当に私の事を愛してくれているのだと分かった。

心がジワリと熱くなって、引き寄せられる様に体の力を抜く。


「桜木……」


再び向き合うような体勢になり、どんどんと顔が近付いてくる。

唇が触れるか触れないかという距離に迫った時。


「っ!?」

「……っ!?」


テーブルに置いてあった私のスマホが鳴り響いた。
中々止まらないそれは、着信を表していた。
固まっていれば高梨部長は、私からそっと手を離す。


「出ろよ」

「でも……」

「早く出ないと、またお前を襲っちまう」


冗談交じりに笑う高梨部長。
そんな彼の好意に甘えてコクリと頷いた。


「もしもし……」

『あ!葉月?』


スマホから聞こえてきたのは明美の声だった。