大人の恋は波乱だらけ!?

「なんなら……もう1回するか?
……恋人同士の営みを……」

「え、遠慮します!!」

「残念」


クスクス笑う高梨部長。

彼はいつもと変わらない。
照れているのは私だけで……。

私ばかり緊張をしているみたいで、少し悔しいんだ。

ぎゅっと手を握りしめて決意を固める。


「高梨部長」

「ん?」


クルリと体の向きを変えて彼の顔を見つめた。
恥ずかしくて顔から火が出そうだ。
だけど、それを我慢してにこっと笑う。


「好きです」

「え……っ……!」


言ったと同時に彼の唇に自分の唇を重ねた。
でも、すぐに顔を逸らしてテレビを見つめた。

触れるだけのキスが精一杯で。

高梨部長を照れさせるつもりだったのに。
やっぱり私の方が恥ずかしくなってしまう。


「ったく……お前は俺をどうしたいんだよ……」


絞り出されたような声に驚きながら振り返る。
目に入ったのは、これでもかってくらいに顔を紅く染めた高梨部長の顔だった。