「桜木君」
「は……はい」
ピシリと伸びた背筋、裏返りそうな声、手に浮かぶ汗。
その全てが私の緊張度を表していた。
目の前には社長や副社長をはじめ、会社の重職たちがずらりと並んで座っていた。
そんな人たちの前で何の用件かも知らず立ち尽くす私。
隣には高梨部長が立っているけどそれでも緊張が解れる事はない。
私とは対称的に平然としている高梨部長。
これが4歳という年の差だろうか、それとも高梨部長が凄いのか。
どちらにしても尊敬の気持ちでいっぱいだ。
私なんて今すぐにでも逃げ出したいくらいなのに……。
ゴクリと息を呑みながら、社長のお言葉を待つ。
「いやぁ……君の才能には驚かされたよ!
この前の【恋した悪魔~禁断の果実~】が大ヒットしてね!
続編希望が相次いでやまないんだよ」
「ファンの要望のメールや電話が鳴りっぱなしでね」
嬉しそうに言う社長に相槌を打ちながら笑顔を浮かべる役職者たち。
和やかな空気が生まれるものの私の体は固まったまま動かなかった。
「そこでだ!
君には【恋した悪魔~禁断の果実~】の第2弾を作って欲しい」
「だ……第2弾……ですか……?」
「あぁ、やってくれるね?」
社長に満面な笑みで言われて断れるはずもなく『はい』と小さく返事をしていた。
「は……はい」
ピシリと伸びた背筋、裏返りそうな声、手に浮かぶ汗。
その全てが私の緊張度を表していた。
目の前には社長や副社長をはじめ、会社の重職たちがずらりと並んで座っていた。
そんな人たちの前で何の用件かも知らず立ち尽くす私。
隣には高梨部長が立っているけどそれでも緊張が解れる事はない。
私とは対称的に平然としている高梨部長。
これが4歳という年の差だろうか、それとも高梨部長が凄いのか。
どちらにしても尊敬の気持ちでいっぱいだ。
私なんて今すぐにでも逃げ出したいくらいなのに……。
ゴクリと息を呑みながら、社長のお言葉を待つ。
「いやぁ……君の才能には驚かされたよ!
この前の【恋した悪魔~禁断の果実~】が大ヒットしてね!
続編希望が相次いでやまないんだよ」
「ファンの要望のメールや電話が鳴りっぱなしでね」
嬉しそうに言う社長に相槌を打ちながら笑顔を浮かべる役職者たち。
和やかな空気が生まれるものの私の体は固まったまま動かなかった。
「そこでだ!
君には【恋した悪魔~禁断の果実~】の第2弾を作って欲しい」
「だ……第2弾……ですか……?」
「あぁ、やってくれるね?」
社長に満面な笑みで言われて断れるはずもなく『はい』と小さく返事をしていた。

