「仁くんは葉月ちゃんの為にオリジナルのカクテルを作ったのさ」
「え……オリジナルのカクテル……?」
マスターの口から出た単語に首を傾げるしかなかった。
そもそも、カクテルなんて初心者に作れるのか?
と、言うより何で高梨部長が私の為に、という疑問の方が大きかった。
気になった私は、高梨部長の方に視線を向けるが彼は顔を紅めたまま何も話そうとはしなかった。
照れ隠しなのか、黙ったままお酒を飲んでいる。
そんな高梨部長を見たマスターはクスリと笑みを零して口を開いた。
「仁くんは……」
「マスター!!」
高梨部長が慌てて止めようとするが、マスターはその制止に見向きもせずに話し続けた。
私に教えてくれる様に、丁寧に。
「彼は葉月ちゃんが無理をし過ぎている事を心配しているんだよ。
でも言葉で伝えられるほど、仁くんは器用じゃない。
だからこうしてお酒の力でキミを少しでも癒せたらって……。
時間がある時にこの店で練習していたんだ」
マスターが優しい顔つきで高梨部長を見つめていた。
つられて私も視線を向ければ、グラスに口を付けながら気まずそうにする彼が目に映る。
言葉が出てこない、その感覚に陥っていれば『あー……』と気怠そうな声を出しながら高梨部長は俯いた。
その横顔は耳まで真っ赤で、そんな彼を見ていると目頭が熱くなっていく。
「マスター……言わないって約束したじゃないですか……」
「すまないね、でもね仁くん。
言葉にした方が彼女はもっと嬉しいと思うよ」
高梨部長の言葉に、マスターは柔らかい笑みを浮かべるとスッと彼の前にグラスを差し出す。
そのグラスには私のグラスと同じものが入っていた。
と言う事は、高梨部長が作ったというカクテルだ。
「葉月ちゃんにきちんと想いを伝えたらどうだい?」
「……マスターには敵わないですね……まったく……」
高梨部長はグラスを受け取ると、覚悟を決めたかの様に私へと向き合った。
「え……オリジナルのカクテル……?」
マスターの口から出た単語に首を傾げるしかなかった。
そもそも、カクテルなんて初心者に作れるのか?
と、言うより何で高梨部長が私の為に、という疑問の方が大きかった。
気になった私は、高梨部長の方に視線を向けるが彼は顔を紅めたまま何も話そうとはしなかった。
照れ隠しなのか、黙ったままお酒を飲んでいる。
そんな高梨部長を見たマスターはクスリと笑みを零して口を開いた。
「仁くんは……」
「マスター!!」
高梨部長が慌てて止めようとするが、マスターはその制止に見向きもせずに話し続けた。
私に教えてくれる様に、丁寧に。
「彼は葉月ちゃんが無理をし過ぎている事を心配しているんだよ。
でも言葉で伝えられるほど、仁くんは器用じゃない。
だからこうしてお酒の力でキミを少しでも癒せたらって……。
時間がある時にこの店で練習していたんだ」
マスターが優しい顔つきで高梨部長を見つめていた。
つられて私も視線を向ければ、グラスに口を付けながら気まずそうにする彼が目に映る。
言葉が出てこない、その感覚に陥っていれば『あー……』と気怠そうな声を出しながら高梨部長は俯いた。
その横顔は耳まで真っ赤で、そんな彼を見ていると目頭が熱くなっていく。
「マスター……言わないって約束したじゃないですか……」
「すまないね、でもね仁くん。
言葉にした方が彼女はもっと嬉しいと思うよ」
高梨部長の言葉に、マスターは柔らかい笑みを浮かべるとスッと彼の前にグラスを差し出す。
そのグラスには私のグラスと同じものが入っていた。
と言う事は、高梨部長が作ったというカクテルだ。
「葉月ちゃんにきちんと想いを伝えたらどうだい?」
「……マスターには敵わないですね……まったく……」
高梨部長はグラスを受け取ると、覚悟を決めたかの様に私へと向き合った。

