「桜木、これ飲んでみな」
「え?」
高梨部長はグラスを私に差し出してきた。
少し疑問に思ったが、言われるままに口へと運ぶ。
お酒が口に入った瞬間、一気に独特の苦みが広がっていく。
私は思わず眉間に深い皺を刻んで、顔を歪めてしまう。
なんとか喉の奥に流し込んで深く息を吸えば生理的な涙が目に浮かんできた。
「な、なんですかこれ……!!」
訴える様に高梨部長を見れば、彼は必死に笑いを堪えている、いや。
堪え切れずに、もはや遠慮ナシに笑っていた。
『もう!』と口を尖らせれば高梨部長は違うグラスを私に渡す。
また苦い飲み物だと確信した私は、それに手を伸ばさず彼を睨みつけた。
「そんな顔をするなって、これは大丈夫だから」
「……」
「あ、信じてないな?その顔は!」
クスクスと笑う彼をどう信じればいいというのだ。
さっきもまんまと騙されたというのに。
黙ったまま彼を見つめていれば優しく目を細められる。
「大丈夫」
屈託のない笑顔に負けた私は、オズオズとグラスに手を伸ばす。
どうにでもなれ、と、目を瞑って得体の知れない液体を喉へと流し込んだ。
フワリと香る甘い味が私の舌を蕩かす。
さっきまで口の中を支配していた苦みは消え去り、甘さを倍増させる効果を発揮していた。
「お、美味しい!!」
高梨部長の方に顔を向ければ、どこかホッとした顔をする彼が目に映った。
何で安心しているの?
その答えを問おうとする前に、マスターが笑みを浮かべながらこちらへと近付いてくる。
「え?」
高梨部長はグラスを私に差し出してきた。
少し疑問に思ったが、言われるままに口へと運ぶ。
お酒が口に入った瞬間、一気に独特の苦みが広がっていく。
私は思わず眉間に深い皺を刻んで、顔を歪めてしまう。
なんとか喉の奥に流し込んで深く息を吸えば生理的な涙が目に浮かんできた。
「な、なんですかこれ……!!」
訴える様に高梨部長を見れば、彼は必死に笑いを堪えている、いや。
堪え切れずに、もはや遠慮ナシに笑っていた。
『もう!』と口を尖らせれば高梨部長は違うグラスを私に渡す。
また苦い飲み物だと確信した私は、それに手を伸ばさず彼を睨みつけた。
「そんな顔をするなって、これは大丈夫だから」
「……」
「あ、信じてないな?その顔は!」
クスクスと笑う彼をどう信じればいいというのだ。
さっきもまんまと騙されたというのに。
黙ったまま彼を見つめていれば優しく目を細められる。
「大丈夫」
屈託のない笑顔に負けた私は、オズオズとグラスに手を伸ばす。
どうにでもなれ、と、目を瞑って得体の知れない液体を喉へと流し込んだ。
フワリと香る甘い味が私の舌を蕩かす。
さっきまで口の中を支配していた苦みは消え去り、甘さを倍増させる効果を発揮していた。
「お、美味しい!!」
高梨部長の方に顔を向ければ、どこかホッとした顔をする彼が目に映った。
何で安心しているの?
その答えを問おうとする前に、マスターが笑みを浮かべながらこちらへと近付いてくる。

