「でも、どうするよ?」

「2倍って相当だよね!?」

「そうですよね!?
高梨部長は何もしなくて大丈夫だって言ってましたけど……」

「ないないない!!」


私の言葉に皆は全力で首を横に振る。
やっぱり、それが普通の反応だよね。
自分の感覚が正しい事を確認した私はホッと胸を撫で下ろす。


「部長って偶に普通の人と感覚違うよね」

「分かるそれー」


盛り上がる人たちを静まらせる様に景子先輩がパンパンと手を叩いた。


「そんな事より!今は考える事があるでしょ!」

「まあ、すぐに答えが出るはずもないから各自で考えておこう」


田中先輩が私にウインクを飛ばす。
協力をしてくれるのは有難いけど、距離が近い。
私の肩に手を置きながら笑顔を向ける田中先輩に心で苦笑いを浮かべる。


「あと1つお願いがあるんですけど……。
この事は高梨部長には内緒にしておいてもらえませんか?」

「分かっているわよ!
この事を高梨くんが知れば、少なからず心を痛めるわ。
だからくれぐれもバレない様に動きましょう」


皆の頷きを確認した私はホッと胸を撫で下ろした。
こうして私たちの【売上2倍大作戦】が幕を上げた。