大人の恋は波乱だらけ!?

買い物も済ませ、ケーキも買い終わりお店から出た時
私のスマホが小刻みに揺れ出した。
着信だ、スマホの画面を見れば見慣れた名前が映り自然に笑みが浮かぶ。


「あ、明美だ……もしもし」

『もしもし!
今日空いてる!?前に言ってたでしょアタシの彼氏を紹介するって!!』

「あー……ごめん今日はちょっと」


ケーキの箱を見つめて私は眉を下げる。
明美や友輝の誘いはなるべく断りたくはないけど、今日はちゃんとするって決めたんだ。
そう思いながら歩き出す。


『えー!?嘘でしょ!?』

「本当にごめん!
友輝と彼氏さんにも謝っといて。特に友輝には!」


カップルの間に1人でいられるほど図太い神経な持ち主はそんなにいないだろう。
勿論、私も友輝もその類の人間じゃない。
だから彼には悪いけど、今日だけはどうしても駄目だ。
別に昴さんと約束をしている訳でもないし、もしかしたら彼も用事があるかもしれない。

だけど……。
一刻も早く謝りたい。
その気持ちが強くあった。


『分かったわよ!!じゃあ、また連絡するわ!』

「ごめんね!ありがとう」


電話を切り、最寄の駅へと向かう。
早く帰ろう、早く。
心なしか私の足取りは軽やかだった。