それもそうだろう。
だって私は昴さんに自分の小説を見せるどころか、書いている事も言っていないのだから。
「何で知って……」
「読んだ、さっきお前の部屋で」
「……そうですか……」
私も勝手に読んだ手前、怒るに怒れない。
というより、怒りはないが恥ずかしさが胸に広がっていく。
誰かに小説を読んでもらう事は珍しくはないが、こうやって実際に小説を書いている人、ましてや真剣に目指している人に読んでもらえるなんて機会はそうそうないだろう。
恥ずかしさのせいで、せっかくの昴さんの小説が頭に入ってこない。
「小説家がお前の夢だったのか?」
「……はい」
「……諦めるな」
「え?」
昴さんの言葉に顔を上げれば、直ぐ近くに昴さんの顔があった。
驚く暇もなく昴さんは私の手を引っ張り部屋の外へと連れだす。
「昴さん!?」
連れてこられたのは私の部屋だった、繋がれていた手は自然に離れていく。
入った瞬間に目に入ったのは私の宝箱といっていい大きめのケース。
それが隅から中央へと移動していた。
そして周りに何冊ものノートやメモ帳が散らばっている。
「……見たら片付けてくださいよ」
そう言いながら、ノートを手に取り集めていく。
1冊1冊にギッシリと書かれた小説。
私の夢への原点であり、思い出と化しているもの。
見ているだけで涙が出そうになる、それくらいに大切なモノ。
黙々と片付けをしていれば昴さんに手を掴まれて邪魔をされる。
だって私は昴さんに自分の小説を見せるどころか、書いている事も言っていないのだから。
「何で知って……」
「読んだ、さっきお前の部屋で」
「……そうですか……」
私も勝手に読んだ手前、怒るに怒れない。
というより、怒りはないが恥ずかしさが胸に広がっていく。
誰かに小説を読んでもらう事は珍しくはないが、こうやって実際に小説を書いている人、ましてや真剣に目指している人に読んでもらえるなんて機会はそうそうないだろう。
恥ずかしさのせいで、せっかくの昴さんの小説が頭に入ってこない。
「小説家がお前の夢だったのか?」
「……はい」
「……諦めるな」
「え?」
昴さんの言葉に顔を上げれば、直ぐ近くに昴さんの顔があった。
驚く暇もなく昴さんは私の手を引っ張り部屋の外へと連れだす。
「昴さん!?」
連れてこられたのは私の部屋だった、繋がれていた手は自然に離れていく。
入った瞬間に目に入ったのは私の宝箱といっていい大きめのケース。
それが隅から中央へと移動していた。
そして周りに何冊ものノートやメモ帳が散らばっている。
「……見たら片付けてくださいよ」
そう言いながら、ノートを手に取り集めていく。
1冊1冊にギッシリと書かれた小説。
私の夢への原点であり、思い出と化しているもの。
見ているだけで涙が出そうになる、それくらいに大切なモノ。
黙々と片付けをしていれば昴さんに手を掴まれて邪魔をされる。

