大人の恋は波乱だらけ!?

「とっくに就業時間は終わってるよ。……だから大丈夫」


時計を見れば6時を回ろうとしていた。
安堵からか体の力が抜けて、高梨部長へともたれ掛ってしまう。
そんな私を見た高梨部長は嬉しそうに笑みを零した。


「人がいないって知った途端に大人しくなったな」

「そ……そう言う訳じゃ……」

「し、静かに」


言葉を遮る様に高梨部長は私の頬に手をあてる。
綺麗な瞳に見つめられると、どうしたら良いか分からなくなって私も高梨部長を見つめた。
引き寄せられる様に、唇と唇が重なる。


「……ふふっ……」

「……ははっ……」


オデコをくっつけながら照れ笑いを浮かべる。
心が満たされて幸せな気分へと変わっていく。

オフィスでこんな事をするなんていけないとは思いつつも、その背徳感が私たちを熱くさせる。
何度も何度もお互いを求めあう様にキスを繰り返す。

リップ音と2人の息遣いだけが静かなオフィスへと響き渡っていた。