「おい」
「え……きゃっ……!!」
砂浜に置いていた手を急に引っ張られてバランスを崩した私は彼の横に仰向けで寝転がるような形になっていた。
咄嗟に瞑っていた目を開き文句を言おうとした時だった、その言葉は嘘みたいに消えていく。
「わぁ……綺麗な空……」
視界いっぱいに広がるのは雲1つない綺麗な青空だった。
最近、空を見る機会なんてなかったからか……こんなに綺麗なものが身近にある事をすっかりと忘れていた。
「ったく、空ごときで感動するなんて本当にガキだな」
「い……いいじゃないですか!安上がりで!!」
「そう言う問題じゃないだろーが」
ククッと喉で笑いながら顔だけを私に向ける昴さん。
それにつられて私も彼の方を向く。
ゆっくりと視線が交じり合えば、どちらからともなく笑い出す。
照りつける日差しも、耳に届く波の音も、背中から感じる砂の温かさも
全てが私たちを優しく包み込んでいて、自分を素直にさせる勇気をくれる。
だからか私は普段なら言わない事を口に出してしまった。
「昴さんの言う通りでした」
「あ?」
「私は夢を忘れてなんかいませんでした」
『諦めた』『無理だ』と必死に言い聞かせて楽な道を歩んできただけ。
自分に嘘をついてココまでやってきた。
私の声が届いているはずなのに昴さんは何も言わなかった。
彼なら『ほら見ろ』と言っても可笑しくないのに。
馬鹿にしたり笑ったりすることなく、ただ真っ直ぐな目で私を見つめていた。
「え……きゃっ……!!」
砂浜に置いていた手を急に引っ張られてバランスを崩した私は彼の横に仰向けで寝転がるような形になっていた。
咄嗟に瞑っていた目を開き文句を言おうとした時だった、その言葉は嘘みたいに消えていく。
「わぁ……綺麗な空……」
視界いっぱいに広がるのは雲1つない綺麗な青空だった。
最近、空を見る機会なんてなかったからか……こんなに綺麗なものが身近にある事をすっかりと忘れていた。
「ったく、空ごときで感動するなんて本当にガキだな」
「い……いいじゃないですか!安上がりで!!」
「そう言う問題じゃないだろーが」
ククッと喉で笑いながら顔だけを私に向ける昴さん。
それにつられて私も彼の方を向く。
ゆっくりと視線が交じり合えば、どちらからともなく笑い出す。
照りつける日差しも、耳に届く波の音も、背中から感じる砂の温かさも
全てが私たちを優しく包み込んでいて、自分を素直にさせる勇気をくれる。
だからか私は普段なら言わない事を口に出してしまった。
「昴さんの言う通りでした」
「あ?」
「私は夢を忘れてなんかいませんでした」
『諦めた』『無理だ』と必死に言い聞かせて楽な道を歩んできただけ。
自分に嘘をついてココまでやってきた。
私の声が届いているはずなのに昴さんは何も言わなかった。
彼なら『ほら見ろ』と言っても可笑しくないのに。
馬鹿にしたり笑ったりすることなく、ただ真っ直ぐな目で私を見つめていた。

