大人の恋は波乱だらけ!?

「俺の彼女……ね……。
ガキ同士の恋愛には興味ねぇが見ていて苛つくな」

「ガキって……。
貴方には関係ないですよね?
って言うか、この子とどんな関係ですか?」


昴さんと高梨部長は一色触発の空気を醸し出していて私はどうして良いか分からなかった。
オロオロと2人を交互に見ながら強く奥歯を噛みしめる。
すると昴さんの顔に怪しげな笑みが浮かんだ。


「同じベッドで寝た仲……って言ったら?」


その言葉に険悪だった空気が凍りついたのが分かった。
そんな言い方をしたら誤解をされてしまう。
いてもたってもいられずに口を開こうとすれば私の肩を抱く高梨部長の手の力が強くなっていく。


「例えそうだとしても俺の彼女への気持ちは変わらない。
もう2度と彼女に関わらないで下さい」


高梨部長の声はいつもの何倍も低くて思わず肩を揺らしてしまう。
でも、彼の気持ちが嬉しくて涙が出そうになった。


「……勝手にやってろ。
でもな、関わるなって言うのは無理だな」

「……どういう……」


高梨部長が口を開きかけた時、お洒落なバーに似つかない甲高い声が響き渡った。


「スバルさーん!お待たせしてごめんなさい!
仕事が長引いちゃってー!!」


声が聞こえた方を向けば煌びやかなドレスを身に纏った綺麗な女の人が駆け寄ってきた。
その姿は正に夜の仕事をしてる風の人だった。
昴さんの交流関係の幅が広すぎてポカンと口が開く。


「……いえ、全然待っていませんよ。
あっちの席に座りましょうか」

「あの人たちはいいの??」

「ええ、少しお話をしていただけですから」


昴さんは女の人と一緒に私たちから離れていった。
それを呆然と見送るのは私だけではなかった。
高梨部長も私同様にポカンと口を開いて昴さんの背中を見ていた。