大人の恋は波乱だらけ！？

高梨部長と別れ、1人でオフィスに戻った私は資料とニラメッコをしていた。


「……」


先程、高梨部長から貰った紙、30代女性の事が書かれた紙を見ながらその世界に吸い込まれていった。
私の知らない世界がそこにはある。
たかが10歳くらいしか変わらないのに……。
別世界のように思えて、ワクワクとした気持ちが抑えきれない。

まだゲーム自体進んでいないが私の心の中は何歩も先に進んでいた。
初めてこのゲームのシナリオを作る事に楽しさを感じたのだ。


「あっ……」


資料を読んでいるとある事に気が付く。


「“日常では味わえないスリルを味わいたい”」


その言葉に、昴さんの顔が浮かんできた。

『30代くらいの女は日常と非日常を求めているだろうからな』

昨日のアドバイス通りの結果が出ている。
流石は昴さんだ。

感心しながらも、少し複雑な気持ちを覚えた。
私より30代女性の事に詳しいなんて……。
昴さんが小説を書くために情報収集を怠らないという証拠だ。
それに比べ私は……。
ココまで来るのに空回りばかりで……。


「っと！！駄目だ！！」


暗くなりかけた気持ちを払う様にパンッと頬を両手で叩く。
空回りをした分、頑張って巻き返せばいい！
強く決意をして私は再び資料と向き合うのだった。