「やる必要はない」
高梨部長は紙を突き返すと私から顔を逸らしてしまう。
そして何かを探す様に手を動かしていた。
「や……やる必要はないって……」
予想外の事に頭が付いていけない。
高梨部長だったらきっと『じゃあ早速やるか!』と笑顔を向けてくれると思っていた。
彼ならいつも味方になってくれると勝手に思い込んでいた。
どうして、そのひと言すら出せない。
情けないけど涙が出そうになってくる。
私はいつも高梨部長に守られてきたんだ。
1人では何も出来ない、自分の力の無さが胸を徐々に痛めつけていく。
「あ……あったあった!
……って……なに泣きそうになってるんだよ!?」
パッと顔を上げた高梨部長と目が合ってしまった。
彼の言葉に堪えていた涙がポタリと頬をつたっていく。
オフィスで泣くなんてあり得ない。
私は何をやっているんだ。
そう思うのに涙は止まってはくれなかった。
「す……すみませ……」
「……ちょっと来い」
高梨部長は自分の体で私の顔を隠しながらオフィスを連れ出してくれる。
多分、私が泣いている事が周りにバレない様にだろう。
声を押し殺して泣く私の肩をそっと抱きしめてくれる高梨部長。
黙ったまま2人で誰もいない廊下を歩く。
そんな彼の優しさが今は凄く辛いんだ。
肩から伝わる温もりが私の涙を更に溢れさせていく。
高梨部長は紙を突き返すと私から顔を逸らしてしまう。
そして何かを探す様に手を動かしていた。
「や……やる必要はないって……」
予想外の事に頭が付いていけない。
高梨部長だったらきっと『じゃあ早速やるか!』と笑顔を向けてくれると思っていた。
彼ならいつも味方になってくれると勝手に思い込んでいた。
どうして、そのひと言すら出せない。
情けないけど涙が出そうになってくる。
私はいつも高梨部長に守られてきたんだ。
1人では何も出来ない、自分の力の無さが胸を徐々に痛めつけていく。
「あ……あったあった!
……って……なに泣きそうになってるんだよ!?」
パッと顔を上げた高梨部長と目が合ってしまった。
彼の言葉に堪えていた涙がポタリと頬をつたっていく。
オフィスで泣くなんてあり得ない。
私は何をやっているんだ。
そう思うのに涙は止まってはくれなかった。
「す……すみませ……」
「……ちょっと来い」
高梨部長は自分の体で私の顔を隠しながらオフィスを連れ出してくれる。
多分、私が泣いている事が周りにバレない様にだろう。
声を押し殺して泣く私の肩をそっと抱きしめてくれる高梨部長。
黙ったまま2人で誰もいない廊下を歩く。
そんな彼の優しさが今は凄く辛いんだ。
肩から伝わる温もりが私の涙を更に溢れさせていく。

